この度、学会企画委員会(旧研修委員会)では、「DV加害者」に焦点をあて、研修会を開催することとしました。DVは、古くからある非常に悩ましい問題です。令和3年3月に公表された内閣府による調査結果によると、「約4人に1人は配偶者から暴力を受けたことがある。」ほか、「被害を受けたことがある家庭の約3割は子どもへの被害もみられる。」と報告されています。近年、法律が整備され、自治体等において被害者にシェルターを提供するなどの対策がなされてきましたが、「被害を受けた女性の約4割、男性の約6割はどこにも相談していない。」というデータもあります。
ところで、これもよく言われることですが、加害者は被害者に非があると一方的に受け止め、自身の加害行為を正当化していることが多いようです。中には自身の行為がDVであると気づいていない加害者もいるとされています。ここに、加害者に対する教育的あるいは治療的な関わりが必要となってきます。被害者を救うだけでは、DVは解決しません。
今回、講師にお招きする信田さよ子先生は、1995年に原宿カウンセリングセンターを設立され、現在は、同センターの顧問をされています。日本のDV加害者・被害者にかかわる草分け的存在であり、現在、日本公認心理師協会会長の要職にあります。切れ味の良いコメントでテレビ等でもご活躍です。内閣府の委嘱事業で、「DV加害者プログラム」の開発・実践に携わり、公開講座の講師をされるなど非常にお忙しい中、時間をとっていただき、今回、オンラインによる研修会をお願いすることが実現しました。「DV加害者プログラム」の概要をお話いただき、その取り組みの成果をご紹介していただきます。我々にとって、当事者に接する際に有益なお話をうかがえるものと思いますので、遠方にお住まいの方でもふるってご参加ください。
*日 時: 2023年2月25日(土)午後1時30分~午後4時00分
*方 法: Zoomによるオンライン方式
(当日参加が無理でも2週間ほど録画配信いたします)
*テーマ: DV加害者プログラムの現状と課題
*演 者: 信田さよ子先生(原宿カウンセリングセンター顧問)
*参加条件:当学会の学会員であること
*参加費: 2000円
*その他: 申込方法や当日のタイムスケジュールなどは、また追ってご連絡いたします。